【こんな症例も治りますシリーズ 772】『 ウサギさんの 急な食欲不振にご注意 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、ウサギの食滞のレントゲン像です。

◆ 似た症状で、『胃の膨満』がありますが、厳密には原因が異なります。

◆ さらに、似た症状で、『胃捻転』と言って捻れてしまう病気もあります。

 

参照サイト:

https://00m.in/IDdyW

 

 

 

『 食欲が戻った! ウサギさんの食滞 』

 

 

ウサギ 5歳 メス(未避妊手術)

 

 

 

 

【 昨日から急にごはんを食べなくなった 】とのことで来院したウサギちゃんです。

 

 

 

 

◆◆ 飼主様からは、ちょうど新しい種類のペレットに切り替えた直後だったため、『 もしかしてそれが負担になったのかも… 』とのことでした。

 

 

 

■ レントゲンでは胃の動きが止まっていることが判明

 

 

★ 早速レントゲン撮影を行ったところ、胃にガスや液体がたまり、まったく動いていない様子が確認されました。 ウサギはとても繊細な消化管を持っており、ストレスや食事の急な変更で消化管の動きが停止する『 食滞 』が起こりやすい動物です。

 

 

★ 放置すると命に関わることもあるため、迅速な対応が必要です。

 

 

 

 

 

■ 点滴・鎮痛薬・消化管促進薬の積極的な治療を毎日実施

 

 

★ すぐに以下の治療を開始しました:

 

 

• 点滴による水分補給・循環の改善

• 鎮痛剤による痛みの軽減

• 消化管のお薬による蠕動運動の促進

 

 

★ そして、毎日通院による点滴治療と薬剤管理を丁寧に続けた結果……

 

食欲は徐々に回復し、数日後には100%に!

 

 

治療開始から徐々に食欲が戻り、見事に100%回復!

 

 

 

★ 再びペレットにかじりつく姿を見て、飼い主さまもスタッフ一同もほっと安心しました。

 

 

 

 

■ 予防のために気をつけたいポイント

 

 

• 新しいフードは少しずつ混ぜて、体を慣らすこと
急な変更は腸内環境を乱しやすいため、段階的に切り替えるのが安心です。

 

 

• 食欲が落ちたら早めの受診をお願いしています
様子見は危険です。  1日でも早く受診することが良好な経過に繋がります。

 

 

• 水分をしっかり取れる環境づくりを
ウサギは水分不足にも弱いため、いつでも清潔な水が飲めるように工夫しましょう。

 

 

 

 

◆◆ 高齢ではない若いウサギさんでも、ほんの少しの変化で食欲が落ちることがあります。 しかし、迅速で適切な治療を行えば、完全回復も十分可能です。

 

 

気になる変化がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

獣医師 土屋優希哉

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